小見出しが立ちやすい本、立ちにくい本。

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こんにちは。ビジネス出版部のからまるです。

ビジネス書やノンフィクション系の本は、小見出しをたくさん立てます(普通は「付ける」というのでしょうか。「立てる」というのは業界的かもしれません)。でも、原稿によって、自然にどんどん小見出しが立ってしまうものと、考えても考えてもなかなか立たないものがあるんです。

もろちん、からまるの能力の問題もありましょうが、やっぱり立ちやすいのは、比喩的な表現がすぐれているものでしょうか。よく、難しいことを難しく書くのは易しく、難しいことを易しく書くのが難しいと言われますね。この上にはもう一つ階層があって、難しいことを巧みな比喩を使って易しく書くのがもっと難しいと、からまるは思います。お笑い芸人さんはこれができるから人気があるのではないでしょうか。

今年からまるが編集した本でもっとも小見出しが立ちやすかったのは、長谷川幸洋さんの『官僚との死闘七〇〇日』です。さすが辣腕新聞記者と思わせる筆力と、登場人物の多彩さで、一読して印象に残る面白いフレーズがたくさん盛り込まれました。

たとえば、元財務官僚の高橋洋一さんは、官僚が作った新政策の発表内容や政党間の合意事項をまとめたペーパーを「特オチ」を恐れる新聞記者が争って入手するさまを見て、こう言ったそうです。

 

「なにかといえば『紙、紙、紙。紙だ。紙をくれ』と騒ぐ記者たちは、まるで山羊だな。トイレの中じゃあるまいし」

 

ここには、紙を食べる山羊と、トイレットペーパーがなくてトイレで慌てる人のダブルの比喩になっていますが、こんな面白いことが書かれてあれば、なんの迷うことなく「記者は、まるで山羊だな」という小見出しが立ちます。

でも、こんな小見出しじゃ、書いてある内容がわからないじゃないか。

そう思われる読者の方もいらっしゃるとは思います。中身検索的に小見出しをご覧になる方には不便を感じさせることになるでしょうし、もっとアカデミックな本はこんな立て方はしないと思いますが、大勢に読んでもらうことが生命線の本では、内容を要約する小見出しより、面白いところを抜き書きする小見出しのほうが向いていると、からまるは思っています。

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