こんにちは。ビジネス出版部のからまるです。
世界を驚かせ、また悲しませたインドのムンバイ同時多発テロ。発生した11月26日は、ちょうど本日発売した松本光弘さんの『グローバル・ジハード』の校了明けでした。本当に妙な巡り合わせとなりました。
「グローバル・ジハード」とは、言葉通り、イスラム背教者に対する聖戦だったジハード運動の一部思想が、ソ連のアフガニスタン侵攻や湾岸戦争を経て過激化し、イスラム国家だけでなく広く欧米諸国全体にまでターゲットを拡大した新しい思想です。それがもっとも大きな形で表れたのが「9・11テロ」でした。
「9・11テロ」は、オサマ・ビンラディンをリーダーとするアルカイダという国際テロ組織の犯行だと、「敵の姿」がはっきりしていました。いま本当に恐ろしいのは、もはやテロリストはアルカイダという特定の組織の統率をはなれ、著者が「勝手にアルカイダ」あるいは「アルカイダ星雲」とこの本で呼ぶ、アルカイダの思想をそれぞれの歴史・地理的背景がある各グループが我流に解釈して、アルカイダと思想は近くても遠いところで活動していることです。
今回のムンバイ同時多発テロは、「デカン・ムジャヒディン」と名乗るまったく知られないグループの犯行だと言われています。インド・パキスタン国境地帯であるカシミール地方では長く紛争が続いてきましたが、「カシミール過激派」のいくつかの組織はアルカイダとの関係がひじょうに深く、著者が「グローバル・ジハード主義のデビュー宣言」と定義する1998年2月のビンラディンとザワヒリによる「ユダヤと十字軍に対する世界イスラム戦線」に署名した5人の中にカシミール過激派の名前もあったと、この本で指摘されています。
からまるはこの本の原稿を読んでいたおかげで、どれくらい事件の理解がしやすかったか。まだ未解明のことが多いとはいえ、マスコミ報道はこの本のレベルに追いついていないのでは?

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